2019年10月のアップデートにより、VS Code内でJupyter Notebookを編集・実行できるようになりました。
これまでも.pyファイル上でセルを実行することはできたみたいですが、今回のリリースにより、.ipynbファイルを直接編集して実行できるようになっています。
Jupyter Notebookの利用が多い私としても、.ipynbファイルをストレスなく編集・実行できるエディタが欲しいと常々思っていました。
今回VS Codeがその機能に対応したということで、実際にインストールして使ってみることにしました。
環境
- Windows 10 (64 bit)
- Anaconda 2019.07 (64 bit)
Visual Studio Code(VS Code)とは
Microsoftが提供している無料のコードエディタです。
同じくMicrosoftが提供している、名前がよく似た”Visual Studio”もありますが、こちらは統合開発環境(IDE)と呼ばれるものであり、別物です。
エディタの他に開発に便利なツールが組み込まれているものをIDEと呼んでいます。
便利な反面、エディタと比較すると動作が重い傾向にあります。
そのため、Pythonなどの動的言語で簡単なコードを書く場合にはエディタを使う人が多いかと思います。
VS Codeのインストール
VS Codeをインストールしていきましょう。
Microsoft Azureの公式ウェブサイトにアクセスし、インストーラーのダウンロードを行います。

「今すぐ無料でダウンロードする」をクリックすると、OSを選択する画面に飛びます。
今回はWindows 10を使っているので、左の”Windows”をクリックしてインストーラーをダウンロードします。

ダウンロードが終わったら、インストーラーを起動してインストールを行いましょう。
基本的に、インストーラーの案内通りに進めても問題ありません。
「追加タスクの選択」はデフォルトのままでも構いませんが、実行したい項目がある場合はチェックを入れておきましょう。

あとは「インストール」を押せばインストールが開始します。
Python拡張機能の導入
VS Codeをインストール後に起動し、Microsoft公式のPython拡張機能を導入します。
この拡張機能を入れると、自動インデントやデバッグサポートなどの機能を使えるようになります。
左下の”Extensions”ボタンをクリックし、検索窓にpython
と打ち込むと、検索結果の一番上にPython拡張機能が表示されるはずです。
これをインストールしましょう。

今回のリリースはこの拡張機能に対して適用されているので、この時点で既に.ipynbファイルも操作可能になっています。
早速使ってみましょう。
Shift + Ctrl + P
を押してPython: Create New Blank Jupyter Notebook
を選択すると、.ipynbファイルが新規に作成されます。
ショートカットキーなどは一部異なるものの、Jupyter Notebookと同じ操作感で.ipynbファイルを編集・実行することができます…!

仮想環境の変更も可能です。
Shift + Ctrl + P
でコマンドパレットを開き、Python: Select Interpreter
を選択すると、カーネルを選ぶことができます。

VS Code内でAnaconda Promptを使えるようにする
今のままでも便利ですが、できればVS Code内でAnaconda Promptを使いたいですよね。
いちいちAnaconda Promptを別に立ち上げるのめんどくさいですし。
VS Code内のシェルは、デフォルトではAnaconda Promptになっていません。
Sfhit + Ctr + @
でシェルを起動してみると、下記のエラーメッセージが表示されてしまいます。

というわけで、VS Code内でAnaconda Promptを使えるようにしましょう。
まず、左下の歯車アイコンをクリックし、Settings
を開きます。

検索窓に”shell”と打ち込み、Automation Shell: Windows
項目内にあるEdit in settings.json
をクリックします。

そしてsettings.json内に↓の文字列を追加します。
1 2 |
// シェルでAnaconda Promptを使えるようにする "terminal.integrated.shell.windows": "コマンドプロンプトの絶対パス", |
私の環境ではsettings.jsonは以下のようになっています。
1 2 3 4 5 6 |
{ "python.pythonPath": "C:\\Users\\私のユーザー名\\AppData\\Local\\Continuum\\anaconda3\\python.exe", // シェルでAnaconda Promptを使えるようにする "terminal.integrated.shell.windows": "C:\\Windows\\system32\\cmd.exe", } |
この際、以下の点に注意してください。
- 「絶対パス」にはコマンドプロンプト(cmd.exe)が納められているディレクトリの絶対パスを入力する
\
を\\
にエスケープする- 編集後に必ず保存する
Shift + Ctrl + @
で新たにシェルを開くと、Anaconda Promptの起動が確認できると思います。
where python
と入力して、環境が読み込まれているか確認してみましょう。
下図のようにAnacondaのpythonパスが返ってくれば成功です。

この設定では、VS Code起動後に自動で立ち上がるシェルは通常のコマンドプロンプトになっています。
Anaconda Promptを立ち上げるには、“Python: Select Interpreter”でカーネルを選んだ後にシェルを立ち上げる必要があります。
デフォルトのシェルをAnaconda Promptに設定する方法もありますので、試したい方は_mekiさんの記事を参考にしてみてください。
自分は上で紹介した設定が好きなので、そのまま使っています。
カーネル変更ができない問題
使っていて気づいたんですが、Select Interpreter
で一度カーネルを選択してしまうと、再起動しない限りカーネルを変更することができません。
シェル経由で仮想環境を変更してもカーネルには反映されず。
色々調べたり設定をいじくったりしたのですが、解決策は見つかりませんでした。
Microsoftの対応を待つしかないかもしれません。
まとめ
今回のアップデート以降はVS Codeばかり使ってます。
最近は自分の周りでも、「VS Codeいいよね~」と言う人が増えてきている気がします。
動作が重いときがあるのとカーネル変更が効かないのは欠点ですが、概ね不満はありません。
しばらくこのまま使ってみて、今後も継続して使うか決めたいと思います。
かなり便利なので、みなさんも一度試してみてください~。
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